比較できるものではないけど、ルー・リードの訃報はカート・コバーンが死んだ朝よりもショックだ。肝臓手術の件は知っていたものの、なにより本人が「これまでになく体調がよくなった気がする」的な発言をしていたので、安心してしまっていた。
思えば、アーテイストとして、弱気な面を見せない人だった。だから普通の評価基準では推し量れないあのミニマルなボーカルとギタースタイルを紡ぎだした。退廃の極みのような生活を抜け出し「アヴェレイジ・ガイ」の「俺はごくごく平均的な、普通の男さ」という逆説的な独白につながった。
[1996年来日時の『クロスビート』誌 インタビュー]
すべてを理詰めで捉えるコンピューターみたいな人物とも評されるが、それは真のロマンチストだからだろう。たとえ海にむかって石を投げるカップルに対してでも、なぜそうするかを論理的に説明できてしまう。本当の叙情派でなければ、「サテライト・オブ・ラブ」や「セプテンバー・ソング」のような曲は歌えない。
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