『365日のシンプルライフ』
渋谷オーディトリウム。
ヘルシンキを舞台に26歳の主人公が失恋をきっかけに断捨離生活をすることを決心。彼女の私物をはじめ、モノであふれた部屋のものをいったんすべてストレージに入れるところから映画ははじまる。彼が自分に課したルールは4つ。
1 自分の持ち物を全て倉庫に預ける
2 1日に1個だけ倉庫から持ってこられる
3 1年間、続ける
4 1年間、物を買わない
以上。そこから彼の実験生活を我々は垣間見ていく。最初は本当に裸一貫。
これが中々大変で最初の40くらいまでは本当に生活に必要なものをチョイスしていくのだが、次第にそれほど物がなくてもやっていけることに気付く…。
なかなかの佳作でした。上映時間も80分程度で見やすいし。テーマがはっきりしていてある意味自分自身を見つめなおすというきっかけにもなりえる映画というか。この映画を通して最後まで残ってたのはモノではなく人と人とのつながり、みたいなことかなと思いました。
撮影も構成もとてもセンスを感じる監督だなと思いいます。劇伴はサックスメインのジャズカルテット。最初サックスの主張が強すぎてこの映画の向かう方向とあわないなとも思ったんですが、見ているうちにしっくりきました。ずーっとこのカルテットで一貫しているのがシンプルに思えてきて。
エンドロールに365個持って帰ってきたものが流れるのもなかなかニクい仕掛けです。訳がないのでわからなかったけど。これ上手くキャンペーンのフックにできそうだなと思いました。
生きていくうえで本当に必要なのは100個、それからの100個は生活を楽しむための物。
そして、最後に彼はこう言います。
所有とは責任であり
モノは重荷になる
どんな重荷を背負うか
僕は自分で決める
フィンランドの美しい風景や日常も本作の見どころです。