「ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE」
作っちゃいました。
ご存知の方もいるかと思いますが、テレ東が誇る最強の深夜番組「ゴッドタン」。この番組のNO1ヒット企画が「キス我慢選手権」。2007年の番組開始当初は、何も知らされていない芸人たちが、次々迫りくる美女の様々な色仕掛けを使ったキスの誘惑を上手くかわして、アドリブ芝居をいかに長く続けられるか、という企画でした。そこから、天才劇団ひとりのアドリブ芸がさえわたり、毎回”キスを我慢する”というルールを超えた壮大なストーリーへと変貌を遂げていったのです。
番組開始から7年。これだけ深夜でこの番組が続いているのも驚異ですが、今回、この企画を映画化しました!もちろん、主役は劇団ひとり。彼はこの映画に誰が出演するのか、ストーリーがどうなっているのか全く知らされていません。開始早々、彼に与えられたミッションは”24時間キスを我慢せよ”ということだけ。ここから劇団ひとりの長い長い、芸人生命をかけたアドリブ芝居マラソンがスタートします。今回襲ってくるのはキスを迫る美女達はもちろん、荒れ狂うゾンビ集団、闇の組織など、壮大なストーリーに基づいた刺客たち。これらが息つく暇もなく劇団ひとりに襲い掛かります。見ているこっちも手に汗握る超ジェットコースタームービーです。劇団ひとりの天才的なアドリブで、お話は洋画大作並みのダイナミックなものになりました。
全編劇団ひとりのアドリブ=一度芝居が始まってしまうと、そのシーンが終わるまで”絶対に撮影を止められない”ということ。
2度と取り直しのきかない劇団ひとりの最高のアドリブと臨場感を取り逃すまいとのべ20台のカメラ、大型中継車を2台稼働させるなどテレビ東京が持てる全ての技術力を集結し、独自の撮影システムを構築。制作、技術スタッフも6年にわたって番組をサポートしてきたスタッフの熟練した技術に、三池崇史作品の常連の映画スタッフがタッグを組み、前代未聞、誰も見たことのない映像作品が完成しました。
正直、泣けます。そして爆笑できます。劇団ひとりに神がおり続けてます。こんなことってあるんだろうかと現場でみんな思いました。夢じゃないかしらと。でもその記録はすべてテープに記録されています。そこにゴッドタンの総合演出であり、監督の佐久間宣行の神がかった編集が加わり、さらにサンボマスターの本当に泣ける主題歌「孤独のランデブー」が加わって、もう観ている間笑ったり泣いたり大変なことになりますが、観終わったあと見事に何も残らない最高の映画になってます。あ、観終わって元気にはなりますよ。こんなバカを本気でやれる大人がいるんならまだ世の中捨てたもんじゃないなと、中2が1人でも思ってくれれば本望です。
2007年に僕は当時特番だった「ゴッドタン」を佐久間とともにレギュラー化しました。そのあとドラマに異動になりドラマ制作をしている間、ずーっと番組を続けている監督の佐久間には後輩ながら本当に頭が下がります。僕だったら6年続けられたかどうか。入社面接をしていると学生から一番言われる、もはや押しも押されぬテレ東の看板番組「ゴッドタン」。僕はドラマや映画で培ったスタッフや技術を持って、佐久間および昔一緒にやっていた面々と映画が作れたことが本当に嬉しいです。
えー、長くなりましたが、とにかく観てください!1800円は安いです。
「ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE」