
『フタバから遠く離れて』

+
震災や原発事故の被害者を描いた作品は沢山あれど、お涙頂戴的な感動路線とは完全に一線を画している作品。
故郷から250キロ離れた埼玉県の廃校に避難してきた、双葉町の町民達のありのまま姿をカメラでとらえ続けることで、原発事故の本当の意味、そして我々が置かれている誠に奇妙な状況が浮き上がってくる。
震災を経て一年半がたった今、気がつくと”日常”の中から震災、原発事故の閉める割合が徐々に減り、それに関するさまざまな事象に対して、日々の生活に忙殺され、思考停止になっていく。
でも今も、今後何十年、何百年と見えない敵に苦しみつづけなければならない人達がいる。そしてそれは決して他人事ではない。
誰が被害者で誰が加害者なのか。
”当事者”はいったい誰なのか。
映像メディアが出来ることはそれを記録し人々の目にさらすことで、常に記憶を風化させないこと。
そして常に”問い”を投げかけること。メディアに従事するものとして、その重要性を改めて痛感させられた。
監督は今も、そしてこれからもカメラを回し続けるという。
今、見るべき映画だと本当に思いました。
『フタバから遠く離れて』 10/13-11/9 オーディトリウム渋谷ほか


変わりゆく 東京の風景

+
6シーズン目。早いものですね。
みなさん”名画座”ってご存知ですか?シネコンとかで最新作が公開された後DVDが出るころに2本立てとかで上映する映画館です。そのほかにも、昔の日本のやくざ映画ばっかりやっているところもあれば、監督などの特集上映をしている映画館まで、”名画座”というのは映画のテーマパークなんです。
そんな昭和の色が満載のテーマパーク。再開発のあおりを受けてどんどん閉鎖されています。まあ、平屋の映画館にしておくよりもビルにしてその中にシネコンとして映画館を存在させればいいという、戦後の高度経済成長期に至極当たり前に行われておいた開発の手が映画館にものびてきたということです。
10月に閉館が決定している、浅草の老舗映画館、中映と名画座。
左が洋画館の中映劇場、右が邦画専門の名画座。
見よ!この3本立て。プログラムピクチャー!最高です。
おっさんのオアシス。
中映、名画座ともに激シブの作品を上映しているんです。ただ、名画座の1200円で朝から晩まで楽しめる3本立てこそ、名画座の真骨頂。映画が始まったとたんに客席のあちらこちらから、ビールや缶チューハイを開ける、”プシュ!”っという音とともにビニール袋から何やらガサゴソ取り出すイイ感じの環境音がスタート。映画も中盤に差し掛かると、観客のオヤジのゲップや咳ばらいが、ノイズミュージックのように聞こえてくるというアシッドな4D体験ができる場所だったんです。一昔前まで椅子でタバコ吸ってそのまま地面で消しているオヤジだらけだったし。
東京の原風景とも言うべき世界が変わっていくのは、東京者として実にさびしいものです。でも、もうそれは東京と言う日本のカオスに生まれ育ったものとして諦めていくしかない、むしろ東京は変わっていく姿にこそ郷愁を見出していけばいいのだと、最近は半ば割り切っているんですが。まあ、湘南ボーイが知事をやってるくらいですからね、あいつは粋じゃないよね。
映画館の閉館は10月。それまでしばしの時間があるので、最後の映画体験をしに一度足を運んでみてはいかがでしょうか。「やっぱシネコンのがいいよね!」という意見になったとしても、昭和の風俗を見に行くという意味でも行く価値はあります。いやだったら、途中で出ても誰も文句言わないし。
さようなら!思い出の劇場達!
浅草名画座
浅草中映


80′sという時代

+
80’S。僕は75年生まれなので、80′S文化には終盤に何とか間に合ったクチなんですが、今の文化の基盤は確実に80年代に芽が吹いていたと思うんです。リルログ的にいうと、裏原的というか藤原ヒロシさんとか、カウンターカルチャーがメインストリームを打ちまかせた時代と言うか。
そんな80年代を舞台にしたドラマができんかと最近考えて読んでいた本達。
世界的大ヒットゲーム「ポケットモンスター」の産みの親、田尻さんのエッセイです。80年代、まだ風営法が施行される前の、”ゲーセン”がワルい魅力を放っていたころのゲームにまつわる青春グラフティ。ゲームを知らなくても楽しめる、ものすごく良くできた「スタンドバイー・ミー」感あふれるエッセイです。この人が後に文字通り、モンスター級の大ヒットゲームを作るという観点からも、ある種「ソーシャルネットワーク」的でたいへん興味深い。
そして、ポケットつながりでもう一冊。
精神科医としてテレビなどでおなじみの香山リカさんのエッセイ。この本も彼女が若い頃、サブカル誌の編集者として日々を送っていたことに始まる、今の香山さんからは思いもつかない、女子版80年代青春グラフティ。こちらも80年代の色々な側面を知る意味で、とっても貴重な資料です。
興味ある方は是非。さ、まとめなきゃ。


ラジオまたまたやります!

+
「祝!復縁記念 東野幸治のウキウキ WAKE ME UP」
東野さんとRGの洋楽番組。調度半年前にやって好評でした。忘れたころに第2弾です。
洋楽好きも、そうでない人も是非聞いてみてください!
40代に一番ささる洋楽ナツメロ番組です。ゴシップも満載!
本日!土曜日8/25 夜6時~8時 インターfmです。よろしくお願いします!


爆音「サウダーヂ」

+
昨年一番の衝撃だった映画「サウダーヂ」。
その「サウダーヂ」を爆音で見る機会が!
なんと、富田監督と菊地成孔さんのトークもあり、翌日には出演しているラッパーの田我流のライブも。時間あったら両方確実に行くな―。つーかいこう。「わがままジュリエット」爆音で聞きたいし!
こないだ監督と脚本の相澤さんと会ったんですが、まあ、最近あったことないくらいの破壊力のあるトークをする2人で正直ビビりました。このチームにしてこの映画ありです。観てない方、このチャンスは逃せません。
